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シリーズ第3弾 教科書の内容はこんなにおもろいんか! 滋賀県湖南市立甲西北中学校山口 朋久 山口 朋久 先生 関西大学外国語教育学研究科修士課程修了。中学校卒業まで最下位の成績をとっていた経緯から、「基礎・基本の徹底」「学習方略」「多読」「自己調整学習」を自らが経験実践する。「だれ一人見捨てない」を概念とした授業づくりを県内の公立中学校で行い、その実践事例を各研究会や大学で講師経験を数多く務める。近江聖人、中江藤樹の人間としての“徳を高める生き方(人間学)”から教育の根底を学ぶ。  「2021年度に始まった中学校の新学習指導要領で、英語が格段に難しくなり、生徒に英語きらいが増え、学力格差も広がっている・・・・」という新聞記事がありました。その際やり玉にあがるのは「単語が劇的に増えた。教科書の内容が難しくなった。・・・」です。3年前、○新学習指導要領、○新しい教科書、○新三観点評価のトリプル3を、好きな言葉『できない言い訳を考えるより、できる方法を考えよ』の精神で、教科書をボロボロになるまで使う指導で、生徒の学習方法をより良いものへと改善できる方法がないかを探ってきました。  今回の「シリーズ教科書の内容はこんなにおもろいんか!」では、教科書を使っての基礎基本の練習、言語活動や即興活動、さらに家庭学習へのつながりを、簡単に誰にでもできる指導方法として紹介します。 1 教科書の内容は本当に難しくなったのか  我々がこれまで使用していた教科書内容と比べると、語彙量や内容を難しく感じるかもしれません。視点を変えて、英語を第二言語として学ぶ他のアジアの国に目を向けると、全くそうではありません。さらに日本の江戸末期から明治にかけての学習者が使用した英語の学習書物はもっと難しく量も多いものであり、相当な分量の内容の書物を読んでいました。当時の学習者は現在よりはるかに劣悪な学習状況だったにもかかわらず、なぜそれらの書物を用いて「達人」とも呼べる英語力をつけていったのか。その学習方法は何か参考にできるのではないかと考えました。 2 『主体的に学習に取り組む態度の育成』そして「学びに向かう力、人間性等」  生徒自らが学習への準備、実行、完了する能力と意志のある自律的学習者に育てるための手立てや指導を行うことが3観点目の評価に入り、我々現場の教師はこの評価に対して何をもって評価すべきかと大いに悩みました。大切なことは、評価することばかりに気に取られるのではなく、生徒を自律的学習者へと育てることを考えることではないでしょうか。そして自律的学習者への育成を目指す際に忘れていけないのが「学びに向かう力、人間性等」の文言です。指導者が授業改善や指導方法を考えるという視点だけではなく、学習者である生徒自らが学びの「姿勢」「意欲」「粘り強さ」をもっと育てなければ、この目標を達成することは難しいということを押さえておきたいです。 3 「学びに向かう力、人間性等」を育てるとは  孔子と弟子たちとのやり取りを記した「論語」の中に「子曰く、憤せずんば啓せず。悱せずんば発せず。」(一部)があります。『啓発』と言う言葉の語源になったとも言われる文言です。「学問に対する奮い立つような情熱と問題解決に向けた発憤するほどの意欲がなければ、そのものを教え導くことはしない。」とあります。かなり厳しい言葉でありますが、生徒自らが学びに対する姿勢や意欲がなければ、いくら良い授業や指導をしてもそれだけでは身にならないということを示しています。つまり学習者も学びに対する姿勢を育んでいかなければならないことをすでに2000年前に提言しています。 4 伝統的な学力と新しい学力との融合  古くから日本人に愛されてきた「抹茶」と西洋から日本へ入ってきた「アイスクリーム」を融合させ「抹茶アイス」なるものを作り、人気商品にしました。いろいろなものを取り入れ、それをうまく融合させることは、日本人の得意とする伝統的な力です。学習面だと素読、音読、暗唱、筆写、暗写が今まで先人が培ってきた学力で、これを徹底的に行い、自分の基本となる型を作らなければならないと考えます。基本とした力や背景知識もないのに「主体的」「対話的」「深い学び」を行うことは不可能に近いです。大ベストセラー『学問のすすめ』を書いた福沢諭吉も160年前に、中国の古典「四書五経」をしっかり暗唱できるまで学んでいたからこそ、オランダ語、英語、演説(スピーチ)など当時の新しい学力を難なく身につけていったのです。このことは現代のわれわれも大いに参考にすべきではないでしょうか。 5 伝統的な学習方法のひとつ『音読』で、教科書の英文を体の中に沁み込ませる ア) 音読はなぜ必要か  明治以降に西洋式学習法が取り入れられるまで、学びにおいては黙読より音読の方が主流でした。文字を書く際にもぶつぶつ言いながら書いていたそうです。目で見て、口で言い、耳で聞き、内容を頭で考えながら、文字を書く。人間の体の機能をフルに活用して学びを体にしみこませるのが伝統的な学びのひとつであり、音読は現代でも第二言語の学習には欠かせない方法のひとつとして考えられています。 イ) 音読のやり方  ある程度意味を理解した後に、音読をするやり方を提示します。リピートさせる際に教師が読む英文を指でなぞりながら聞き、チャンク(ある程度のかたまり)で読みます。スピードをあげながら数回リピート音読をし、音読テストで読む時間で読めるかどうかを確認します。その後、設定した時間でレベル別音読シートを用いて、レベル順に読む練習をします。 ウ) 音読用プリント  2023年度は、2年生4クラス(145人)を担当し、教科書すべてのユニットの各ページのレベル別音読テストを行いました。下は2年生最後のユニットのページ(Unit7 Read and Think 2)の両面プリントです。 (表面) (裏面) エ) レベル別音読テスト(一斉授業でできる習熟度別取組み) ・音読発表時間は教科書のページによって異なりますが、2年生は1分間90語程度読もうという目標設定。 Unit7 Read and Think2だと121語で1分20秒。(滋賀県の県立高校入試リスニングテスト1分間約100語) ・音読発表時間は全員同じですが、生徒自身がレベルを自分で選べるよう、習熟度別となっています。 オ) 音読テストの効果と生徒の学習への取り組む姿勢の変化(定期テスト後の振り返りから) Q:この1年間、毎ページ分をすべてペアで音読テストを行いました。それに対して、自分の取り組み方の変化や学習方法をどのように工夫し、どんな成果があったか、また改善点を書いてみよう。 ・授業中に他の人がレベル1をやっているときでも、自分はできるだけ最初からレベル3か4で練習するようにすると、家ではすぐに暗唱までできるようになりました。 ・テストで音読を大切にした人の話を聞き、レベル4を2学期ごろからやるようになり、力がついたと思います。ただし、日本語から英語に書く練習をきちんとしないと英作文力は上がりませんでした。 ・QRコードを使い家で練習すれば、いつも相手が「発音すごくきれい」と評価してくれてうれしいです。 ・QRコードでシャドウイング練習をすると洋楽をうたっている気分になり、英語を自然に覚えられる。 ・レベル3までしかやらなかったけど、友だちが「レベル4までやってノートに書くテストをすれば絶対点数伸びるよ。」と信じてやったおかげで、前回57点→87点に上がりとてもうれしかったです。 ・音読でここまで力がつくとは、正直思いませんでした。これからはもっときちんとやります。 ・インフルエンザでテスト前に休みになり音読を全くしていなかったからか、テストではあまり力が出せなかった。先生が言っていたように「特にテスト前でも家でも音読をしないとだめだ」と言うのが今になってわかりました。来年の入試前や春休みも音読は忘れずにやります。 ・10月から音読をレベル4でずっとやり、毎回レベル4の日本語から暗写(英語をノートに書く)練習をしたおかげで、単語テストの勉強をしなくても、あれからずっと100点をとり続けられました。最後の定期テストでもついに76点というこれまでの最高得点をとることができました。 ・いつも最初は「こんな長い文を1分で暗唱なんかできるか」と思っていたけど、この頃はそうは思わなくなった。英語での書く練習もレベル3だとすぐに書けていたけど、考えながらやるレベル4で英語を書くと、いろいろと疑問も出てきた。その疑問を授業の後に先生に聞いて「That’s a good question!」と言われると、うれしかった。 ・英作文の練習は、教科書の文を日本語から英語に直す練習をしていると、いつの間にか力がついていた。 ・音読は面倒くさいのが正直な感想ですが、音読して書く練習すれば力がつくことがわかり、国語の徒然草の暗唱や理科の元素記号の暗記も言いながら書くとできるようになった。 ・表現を入れて音読すると確かに俳優のようにいつの間にかセリフを覚えられることが実感できた。 ・只管で音読練習をする。(この生徒は故國弘正雄氏の『只管音読』は知りませんでしたが、1年生の後半から只管音読を自己流、体を使って役者のようにセリフを言う感じで練習して、相当な量の英文を体にしみこませました。) カ) 音読の学習方法の変化の中で家庭学習としての内容が改善した点が大きい感想 1 教科書のQRコードを読み取り、シャドウイングをする生徒が増えた。 2 一段上のレベルかそれ以上、自分のレベルより高いレベルに取り組み粘り強く練習する生徒が増えた。 3 授業の前だけでなく、家での練習で暗唱までできるようになった生徒が徐々に増えた。 4 音読だけにとどまらず、日本語から英語へ書くテストをする生徒が増えた。 5 書くテストで、機械的にするのではなく英語の語順を考えて取り組む生徒が増えた。 6 「これならできる」と成功体験を多く経験できることで意欲的に取り組めるようになった。 7 「練習」は学校でするものではなく、家でできるようになるまですることが本当の「練習」であることの意味が分かった生徒が増えたことが何よりの学びに対する向かい方の改善となったことが大きい。 *音読から暗唱へとできる生徒が増えたことで、『高円宮杯中学校英語弁論大会』に参加する生徒が増えた点も大きな成果と考えます。 キ) 音読テストの評価と評価カード ペア同士での評価は ① どのレベルを読んだか  ② 表現はどうだったか  ③ 発音やイントネーションはできていたか  ④ コメント欄 *生徒同士が評価コメントを書くので、テスト終了後に互いのコメントを読み合っています。隣の人がどう書いてくれたかを生徒は熱心に読みます。教師が生徒をほめるより、効果があることも事実です。 6 新しい学力との融合  伝統的な学習「音読」活動を通して体にしみこませた型を使い、アウトプットさせる言語活動(パフォーマンス活動)との融合について次のように考えました。 (1) アウトプットさせる内容は教科書の内容とパラレルなものが望ましい。 (2) アウトプットは、シンプルで簡単なものを数多く行う。 (3) 簡単な例を示し、ペアで取り組む。「話す」活動から「書く」活動へとつなげる。 (4) 即興にこだわり過ぎない。考える時間を与え、話す内容についてメモを見ながらでも可能とする。 (5) 文法題材を使ったアウトプット活動なら、これまで学習した教科書の内容を今学習した文法内容を使って表現させるスパイラルにする。 下は2年生最後の定期テストで出題した「書く」問題です。テストこそ即興の発表場です。 【12】あなたはシーナ先生から次の質問をされました。答えとその理由をそれぞれ1文ずつ書きなさい。1文は主語動詞のある4語以上の文で書くこと。 質問: Which do you like better, summer or winter? あなた: (1)                    . I have two reasons. (2) First,                     . (3) Second,                     . 【13】朝美は昨年ニュージーランドのデイビッドとテレビ電話を通して仲良くなりました。朝美として、右の中から質問してみたいことを2つ選び、英語で質問文を書きましょう。右の中の内容ではなく、日本のことに関する質問で受動態を使ったものであれば、かまいません。 ・あなたの学校で日本語は学ばれているのか。 ・日本食はあなたの学校で食べられているか。 ・野球はあなたの国でプレイされているのか。 ・たたみ(tatami)はあなたの家で使われているか。 ・漫画(comics)はあなたの国では読まれているか。 【14】A Glass of Milkの話で、手術を受けた女性は医者から封筒を受け取りました。その封筒には[ Paid in full, with one glass of milk.]と書かれていました。あなたが医者ならこの文ではなく、どのような文を書いて女性に渡しますか。2文以上の英語で書くこと。1文は4語以上の文で書くこと。 【12】の問題に関しては、Unit 6の授業の中でWhich sport do you like better, soccer or tennis? 下線の語を入れ替えてペアで即興の活動を行いました。質問を提示してから、1分間自分の考えをメモする時間を与えました。そして理由を言う際に、助動詞(can / will …)や接続詞(when / because / if / that )をできるだけ使うように指示しました。既習文法事項を使う機会を与え、ALTとの見本を見せてからペアで活動すると即興で言えるようになります。定期テストでは、下線の語を変えて「書く」問題として出題しました。 【13】は1年生の教科書Unit4でニュージーランドの学生とのテレビ電話を通しての文化の違いについて学習しました。それの反対版として受動態を使ってあらかじめ質問する内容を考えてみるというのが、この出題です。 【14】は学習したA Glass of Milkの内容をしっかり理解し、音読をしていればどれくらいの英文をこのお題で作れるかを測りました。下は生徒が作成した英文です。 ・Your money was paid by a glass of milk. You shouldn’t pay money. Thank you for giving me a glass of milk. ・You paid with one glass of milk. The milk was one of the most delicious milk. I hope that you will get well. ・When I sell candy, you gave me one glass of milk. That was very happy. You don’t need to pay money. You paid with one glass of milk. I will remember your kindness forever. ・When I was a child, I knocked on the door at your house. You didn’t buy candy, but you gave me a glass of milk. I thought you are a god. Now I became a doctor. ・When I sold candy door-to-door, many people didn’t buy candy. You didn’t buy candy from me. However, you gave me a wonderful present without money. That was a glass of milk. It was the best milk. ・You don’t need to pay because you gave me one glass of milk when I was a child. I’m sure that you will get well soon because you are very kind to many people. ・I still remember you and milk. Thanks to your milk, I never gave up my dream. I studied hard to be a doctor. So I am a doctor now. I want to help you this time. ・You gave me a glass of milk when I was selling candy. I felt much better after I finished drinking milk. Thanks to the milk, I became a doctor. You are afraid to pay. Don’t worry about the bill. You paid with one glass of milk. Could you give me a glass of milk at your house again? When I was a child, I tried to sell candy in the city. Not many people bought my candy. You also didn’t buy any candy, but you paid with a glass of milk. It was a cold milk, but my body got warm. I was very happy to get a wonderful present from you! 【11】修学旅行で見つけてきた受け身(受動態)の文を見つけた場所、その英文と日本語を書きなさい。 この問題も定期テストで出題したものです。受動態をUnit7で学習し、受動態がどのような場面で使われるのか。どうして能動態の文ではなく、受動態で表現されるのかをポイントとして抑えたうえで、2月後半に実施しました修学旅行で「移動の乗り物、宿泊先のホテル、見学地や観光地で受動態の文をメモしてくるか、パンフレット等から探し、定期テストでは1文書いてもらいます。」とあらかじめ指示しておきました。生徒たちは新幹線や市電の中、ホテルのトイレ、原爆資料館や観光地での英語の説明文でいかにたくさん受動態が使われているかを実際に現地で見て確かめることができました。生徒の中には、パンフレットを見せながら「出島はwas built ではなく、was constructedが使われていました。調べると、海上に作られたのでbuiltではなく、constructedが使われていることがわかりました。」と興奮気味に話してくれました。あるカステラ屋さんを訪れた生徒たちは「カステラは江戸時代の地図の包装紙で包まれ、しかもその店はthe second oldest Castella shopと書かれていた。」とこちらも興奮気味に話してくれました。修学旅行のような校外学習では説明されるものが外国人用に英語で書かれていることもあるので、戸外ではぜひ英語のパンフレットや説明文を見て英語を読んでほしいという願いを込めての課題でもありました。生徒たちも英語の説明を見つけて読み、理解できたことの楽しさを感じとっていたようです。テスト範囲の教科書Unit7「世界遺産」が取り扱われていたので、長崎にある世界遺産、崎津教会のポスターを見て「行ってみたかった」と言う生徒もいて、様々な旅の視点を持ってくれたことが何よりもうれしいことでした。テストで解答した例を載せておきます。 ・Bowling was started in Nagasaki. Guns were also introduced to Japan by Portuguese. ・Glover Garden was built by Thomas Glover. ・The bridge is called the Megane-bashi Bridge because it looks like a pair of glasses. ・The Oura Cathedral was built in 1864. ・You can be eaten delicious foods such as Turkish rice and milkshakes. ・Three heart stones are hidden near the Old Glover House. ・During the Edo period, only China and the Netherlands were allowed to trade in Dejima Island in Nagasaki, Japan. ・The first company in Japan was founded by Sakamoto Ryoma. It was called Kameyama Shachu. It is located in the south-east mountain area. Why was it built in that place? You can overlook Nagasaki port and the Nagasaki Majistrates’ office. ・Smoking is not allowed on this train. ・May be delayed due to traffic conditions. ・Castella was originally brought to Japan by Portuguese merchants. ・If you open this cover, you will be inquired by crew. ・Dejima was constructed by influential 24 merchants in1636. ・During the Edo period, Nagasaki was visited by great young people, such as Sakamoto Ryoma, Katsu Kaishu, Sugita Genpaku, and Fukuzawa Yukichi. ・Group discount is applied to a group of 10 people and more. ・Peace Statue was built by Kitamura Seibo in 1955. ・The oldest castella shop in Nagasaki is called Fukusaya. ・You will be found heart stones around the bridge. ・This rosary was found in the ashes of a house.

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