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(2011)を用い、コンピューター上で模擬的に津波を発生させ、津波の高さや流速を計算しました。さらに巨礫に働く海水からの流体力と、巨礫と地面との間の最大静止摩擦力を計算し、流体力が最大静止摩擦力を越える場合に巨礫が動き出すという判定を行いました。なお、計算の初期条件として、本来であれば1707年宝永地震の直前における巨礫の位置の状態を復元して計算を実施すべきですが、当時の状況を把握することは困難です。そこで現在の位置で計算した場合と、巨礫が橋杭岩のすぐそばに位置していたと仮定して計算した場合(準原位置)との2種類を計算しました。この結果、いずれの条件とも全てのモデルにおいて多くの巨礫が動くことがわかりました。しかしながら、特に大きな巨礫など一部で動かない巨礫も存在することがわかりました。このことは1707年宝永地震津波よりも大きな津波が過去にこの地を襲ったことを示しています。 それではどのような津波であれば全ての巨礫が動くのでしょうか。この一つの案として紀伊半島南東沖合にあるプレート境界の分岐断層(Park et al., 2002; Moore et al., 2007)の活動を考えました。1707年宝永地震の津波波源モデルに加え、同時にこの分岐断層も動いた例を考えると、準原位置において全ての巨礫が動く結果となりました。また別の案として、1707年宝永地震の津波波源モデルのすべり量を2倍にして計算を行ったところ、より多くの巨礫が動く結果となりましたが動かない巨礫もまだ存在する結果となりました。このほか、本研究では定量的な解析をしておりませんが、紀伊半島南東沖合での海底地滑りも巨礫を動かす原因かもしれません。 一方、台風高潮による影響についても検討しました。2012年9月に台風17号がこの地を来襲し、当地における1951年以降の観測統計の中で最大級の潮位の上昇がありました。この台風来襲の前後の期間において橋杭岩周辺の巨礫も含めた地形をレーザースキャンにより測定し、両期間の地形を比較することで巨礫が動いたか否かを調べました。この結果、動いたのは非常に小さな巨礫のみで、ほとんどの巨礫は動いていませんでした。さらに、1976年と2007年に撮影された空中写真から巨礫の移動を調べた結果でも、判読可能な範囲では大きな巨礫の移動は確認できませんでした。もちろん未知の巨大な高潮が過去に存在した可能性は排除できませんが、図1のように一部の巨礫は台座の上に乗っており長期間そこに位置しているという事実からも、毎年来る台風の高潮では巨礫は動かず、巨礫が現在の分布をしているのは津波によると考えるのが合理的だと思われます。 図1 台座に乗った巨礫の例。周辺の地面に比べ一段高く位置する。立てかけてあるのは標尺で下側の黄色部分が1 m。 今後の予定 今後は、この巨礫がいつ移動したのか、すなわち巨大津波がいつ襲ったのかについても地質試料の年代測定等を通じて解明することを目指します。また橋杭岩周辺以外にも南海トラフ沿いで宝永地震を超える規模の津波の証拠を探し、検証していきます。   論文情報 掲載誌:Tectonophysics 論文タイトル:Evidence from Boulders for Extraordinary Tsunamis along Nankai Trough, Japan 著者:Yuichi Namegaya, Hideaki Maemoku, Masanobu Shishikura, Tomoo Echigo DOI:10.1016/j.tecto.2022.229487 用語解説 宝永地震 宝永四年十月四日(西暦1707年10月28日)に南海トラフ沿いで発生したとされる地震。津波も発生し西日本太平洋沿岸を中心に大きな被害を生じさせた。[参照元へ戻る] 分岐断層 震源となる主断層から分岐して動く断層。ここでは、海底から深部へ続くプレート境界のある場所から海底に向かって分岐する断層を指す。[参照元へ戻る] デイサイト マグマが冷え固まった岩石の一種。[参照元へ戻る] 波食棚 海の波の作用により削られて平坦になった地形。その高度はおおむね平均潮位であることが多い。[参照元へ戻る] 泥岩 泥が堆積し固まってできた岩石。橋杭岩本体のデイサイトに比べ柔らかく削られやすい。[参照元へ戻る]   引用文献 相田 勇(1981a)東海道沖におこった歴史津波の数値実験, 地震研究所彙報, 56, 367-390. 相田 勇(1981b)南海道沖の津波の数値実験, 地震研究所彙報, 56, 713-730. 安中 正・稲垣和男・田中寛好・柳沢 賢(2003)数値シミュレーションに基づく南海トラフ沿いの大地震の特徴, 土木学会地震工学論文集, http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00578/2003/27-0307.pdf [ PDF:1.5MB ] Furumura, T., Imai, K., and Maeda, T. (2011) A revised tsunami source model for the 1707 Hoei earthquake and simulation of tsunami inundation of Ryujin Lake, Kyushu, Japan, J. Geophys. Res., doi:10.1029/2010JB007918. 地震調査研究推進本部(2013)南海トラフの地震活動の長期評価(第二版), 平成25年5月24日発表, 94 pp. 宍倉正展・越後智雄・前杢英明・石山達也・永井亜沙香(2008)南海トラフ沿いに起きた歴史地震に伴う隆起を記録した紀伊半島南部沿岸の生物遺骸群集, 歴史地震, 23, 21-26. Moore, G. F., Bangs, N. L., Taira, A., Kuramoto, S., Pangborn, E., Tobin, H. J. (2007) Three-Dimensional Splay Fault Geometry and Implications for Tsunami Generation, Science, 318, 1128-1131. Park, J., Tsuru, T., Kodaira, S., Cummins, P. R., Kaneda, Y. (2002) Splay Fault Branching Along the Nankai Subduction Zone, Science, 297 1157-1160. 豊島吉則(1968)和歌山県串本町付近の海蝕台と海蝕棚, 鳥取大学教育学部紀要, 19, 41-48. お問い合わせお問い合わせフォーム 産総研について アクセス 調達情報 研究成果検索 採用情報 報道・マスコミの方へ メディアライブラリー お問い合わせ English ニュース お知らせ一覧 研究成果一覧 イベント一覧 受賞一覧 研究者の方へ はじめての方へ 研究成果検索 研究情報データベース お問い合わせ 採用情報 ビジネスの方へ はじめての方へ 研究成果検索 事例紹介 協業・提携のご案内 お問い合わせ AIST Solutions 一般の方へ はじめての方へ イベント情報 スペシャルコンテンツ 採用情報 お問い合わせ 記事検索 産総研マガジンとは 公式SNS @AIST_JP 産総研チャンネル 公式SNS @AIST_JP 産総研 チャンネル サイトマップ このサイトについて プライバシーポリシー 個人情報保護の推進 国立研究開発法人産業技術総合研究所 Copyright © National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) (Japan Corporate Number 7010005005425). All rights reserved.

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